23 街頭所見

「人の心を養ふものは新聞であります。新聞の不眞目「# 「不眞面目」か]の※[#「※」はごんべんに「巳」]事は人心に惡感化を與へます。新聞の報道[# 原本では「導」となっている]は正確に敏速でなければなりませんし、※[#「ごんべん+巳」、読みは「き」]事は文化の向上をはかる使命を完ふする内容を具へたものでなければなりません」とは新聞社のスローガン。
滿洲國獨立、聯盟離脱、世界經濟會議……日本も文字通りの非常時です。
東京日日、東京朝日、時事、報知、續賣、萬朝等何れも甲府市に支局を持ち朝刊に、夕刊に、號外に地方文化向上の第一線に立つてゐる。時まさにヂヤーナリズム全盛時代、新聞閲覽所の初號活字の見出しに見入る人々のスタイルは、忘我まさに百パーセント………
各新聞社の編輯室からは忙がしく原稿紙の上をペンの滑る音が聞へます。

(數野孝惠)


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