QemuPuppy on Puppy

(バージョン 2) 4 Dec 2009 by shinobar
10 Dec 2009:Qemu-0.11.0-rc1 に関する追記

パピー上で動くパピーです。パピー上に仮想PCを作り、そこにパピーでも他のOSでも走らせることができます。 仮想PCの構成の編集や仮想ディスクイメージを作成するGUIが付属しています。

ハードとOSの条件

4.3xJPのstd版や 4.x系のカーネル 2.6.25.16はアクセラレータ(kqemuモジュール)が無いために、他より少々遅いです。 最新カーネル 2.6.30.5とretro版カーネル 2.6.21.7のみ、このアクセラレータがあります。

ダウンロード

  1. qemu本体(次のどちらか)
  2. 仮想PC
  3. インストールCDイメージ(オプション)
  4. インストール済み ディスクイメージ(オプション)

インストール

  1. qemu本体は通常の追加SFSインストールの要領で
  2. 仮想PCは、充分なスペースのあるディスク上で展開してください。 展開直後は400kB程度ですが、使用するにつれ増大します。
  3. 仮想PCはディレクトリ名が qemupc となっています。その中にqemubootup.sh というシェルスクリプトがあります。 /root/my-applications/bin などパスの通ったところにリンクを作ってください。
  4. インストールCDイメージ(.iso)、 解凍後のディスクイメージ(.img)は 仮想PCディレクトリ qemupc/virtualpc または qemupc/stocks に入れてください。

使い方

起動

インストールの3でリンクにパスが通っておれば 「メニュー>システム>QemuPuppy 仮想PC上のパピー」 で起動できますが、 さきの仮想PCのディレクトリ qemupcをファイラーで開いて、その中のqemubootup.shをクリックするほうが分かりよいかもしれません。 仮想端末からは qemubootup.sh と叩いてください。

終了

  1. 仮想PCを通常の方法でシャットダウンしてください。
  2. 仮想PC上のパピーが終了し、System Halt. と出たら Ctrl + Alt キーを同時に押してください。これでマウスが仮想PCの枠から出られます。
  3. 仮想PCのウィンドウを閉じてください。

実行中も Ctrl + Alt キーでマウスを仮想PCから離すことができます。

インストール(ライブ)CD/DVDイメージの利用

ブランクHDD版では、フロッピーからGrub4Dosのメニューが出ても、その先には進みません。 インストールCDイメージ(ISOファイル)を仮想PCディレクトリ qemupc/virtualpc 内に置いてください。 その後QemuPuppyを起動するとライブCDから起動したのと同じように動作ます。

画面はXvesa 800x600に設定してください。実PCはXorgで、仮想PCはXvesaという組み合わせでないと不都合があるようです。

ディスクはブランクなので、Partedなどでパーティションを切ってフォーマットしてください。 フロッピーはフォーマット済みです。

CDイメージ(ISOファイル)はパピーに限らず他のOSのライブCDやインストールCDのイメージでも同様に使えます。ただ、仮想PCディレクトリ qemupc/virtualpcに置くisoファイルはひとつだけにしてください。

本物のインストール(ライブ)CD/DVDの利用

  1. QemuPappyを起動する前に、実PCのCDドライブにCDまたはDVDを挿入してください。
  2. 実PCのデスクトップ上にCDのアイコンが現れるまで(数秒)待ってください。
  3. アイコンが現れてもそれをマウントしないでください。
  4. QemuPappyを起動してください。実PCのCDから仮想PCが起動します。

CDはパピーに限らず他の(Windowsを含む)OS用のCD/DVDでも同様です。Windowsをインストールしたときのライセンスはどうなるのかよく知りませんが。 手元でテストしたところではWindows 2000/XPはインストールできました。 Windows 7はインストールできず。Vistaは試してません。

追記:Windows 2000では、DHCPの取得に失敗することがありました。次のように固定IPを設定してやると繋がります

IPアドレス: 10.0.2.15
ネットマスク: 255.255.255.0
ゲートウェイ: 10.0.2.2
DNSサーバ: 10.0.2.3

追記:Qemu-0.11.0-rc1(0.10.6でも)ではWindows 2000がインストールできません(XPはOK)。 Windows 2000を使いたい場合はQemu-0.9xをお使いください。

仮想PC構成の変更

仮想PCディレクトリは qemupc/virtualpc です。 この中にCD/DVDイメージ(.iso)やディスクイメージ(*.img)を置くことで、 スクリプト qemubootup.shが起動時にそれらをスキャンします。

もうひとつ qemupc/stocks というディレクトリがあります。 ここは控えの間あるいは倉庫のようなもので、 qemubootup.shはこの中もスキャンし、メディア換装の選択肢に加えます。 換装できるメディアは CD/DVD、フロッピー、ディスク(2ドライブ)のそれぞれイメージで、 仮想PCから取り外されたものは、この倉庫 qemupc/stocks に戻されます。

倉庫内のディスクイメージの削除やファイル名の変更はファイルマネージャで行ってください。 新しいCDイメージ(.iso)を倉庫 qemupc/stocks内へファイルマネージャなどでコピーまたは移動、またはリンクを作るとQemuPuppyで使えるようになります。 仮想PCディレクトリqemupc/virtualpc内のものと倉庫 qemupc/stocks内のものとを ファイルマネージャで入れ替えることも可能です。

FDD/HDDの増設

QemuPuppyのフロッピーディスクドライブは標準では1台のみです。 GUI起動スクリプト qemubootup.shを修正することでフロッピーディスクドライブを2台に増設できます。 qemubootup.sh(バージョン 2.1)の16行目あたりに次のような記述があります。

FD1="NOGUI"	# 'NOGUI' suppresses GUI box for FD1

これを FD1="" と変更することで2台のFDDが使えます。 このような改造ができるのは FD1(fd1)のみです。GUIに現れるFDDの台数を0にしたりHDDを増設したりはできません。

GUIによらずに Adovanced Optons で次のような記述を加えると2台目のFDDや、3,4台目のHDDを使うことができます。

-fdb fdxxx.img
-hdc sdxxx.img
-hdd sdxxx.img

ただし -hdc を使うときは CDROMを '(none)'に設定してください。

パピー固有の問題

  1. パピーの個人保存ファイルを作っていて、その後に仮想PCの構成を変更すると、 デスクトップのドライブアイコンが新旧混在することがあります。
    パピー4.3xJPでは 「メニュー>JWMをリスタート」で直ります。

  2. QemuPuppyではフロッピードライブを2台使えますが、パピーで2台目のfd1を使うには多少不便があります。 たとえば2台目のfd1は、 パピーのデスクトップにアイコンとしては現れません。

    パピーの「メニュー>システム」にある「フロッピーの初期化」はfd0のみを扱います。 フロッピー(イメージ)を初期化するには、1台目(fd0)に装着してください。 フォーマットされたフロッピーを2台目(fd1)に装着してもアイコンは現れませんし、pmountでもマウントできません。 コマンドラインから 「mount /dev/fd1 /mnt/data」などとして使うことができます。 終わったら「 umount /dev/fd1」。

    「Grub4Dos ブートローダーの設定」も1台目(fd0)にのみ対応です。

ディスクイメージの作成

qemubootup.shを使って新しいディスクイメージを作成することができます。 作成されたディスクイメージは倉庫 qemupc/stocks に置かれます。

作成直後はブランクの状態なので、仮想PCに装着後、パーティションを作成し、フォーマートしてください。 フロッピーディスクイメージ(2HDのみサポート)の場合、ローレベルフォーマットを実施後にDOS(vfat)またはext2形式でフォーマットしてください。 ただしパピーの「フロッピーの初期化」でフォーマットするには 1台目(fd0)に装着してください。

ディスクイメージのファイル名は「sdx_???.img」となります。 仮想PCに装着するとsdxのところはsdaまたはsdbと変わります。 (フロッピーイメージの場合はファイル名は変化しません。) いったんsdaまたはsdbの名前が付くと仮想PCから外して倉庫に移されてもそのままです。 sdaまたはsdbの名前が付いていても、それが倉庫にあれば sda_???.imgをsdbに、あるいは sdb_???.imgをsdaに装着することは可能です。

他のドキュメント

qemu自身のドキュメントはインストール後 /usr/share/doc/qemu/に英文で。
ほかに オンライン日本語マニュアル