第11回 JPNIC 運営委員会議事録 開催日時 :  1994年11月 2日(水) 10:13 〜 17:37 場 所 :  東京大学 大型計算機センター 大会議室 出席委員 :  加藤 朗、神山一恵(13:30まで)、後藤邦夫、後藤滋樹(PM)、 小西和憲、酒井伸啓、佐野 晋、高田広章、辰巳治之、 中村順一、中山雅哉、東田幸樹(13:30まで)、平原正樹、 松本敏文、丸山直昌、村井 純、吉村 伸、 欠席委員 : 松方 純、 委任状 提出委員 : 相澤彰子、神山一恵(13:30から)、後藤滋樹、東田幸樹(13:30から) WGスタッフ: 岡 敦子、谷村拓也 事 務 局 : 小島育夫、佐藤裕介、多田増美(AM)、山上正代、吉澤文代(AM)、 招 待 者 : 堺井啓公、菅宮真樹、丸山元彦 傍 聴 者 : 1名 配布資料: [ 公開資料 ] 第11回 JPNIC 運営委員会議事次第 資料1-1 第10回 JPNIC 運営委員会議事録( 案 ) 資料1-2-1 第9回 JPNIC 運営委員会議事録の承認 資料1-2-2 「ドメインネームサーバの設定手続きについて」の改正 資料2-1 ドメイン名割り当て報告 資料2-2 IP アドレス割当作業報告 資料2-3 DB WG 作業報告 資料2-4 DNS 管理グループ作業報告 資料2-5 APNIC-Report 資料2-6 Rule-WG 報告 資料2-7 情報サービス部会( IS-WG )の今後の活動予定について 資料2-8-1 その他の報告事項 資料2-8-2 goiken、kujo 報告 資料2-8-3 会費納入延滞理由 資料2-9 FINANCE-WG報告 資料2-10 インタロップ報告 資料2-11 高度情報通信社会推進本部の設置について 資料3-1 JPNIC 著作物の所有権に関して -- 日本ネットワークインフォメーションセンター 著作物に関する覚書( 案 ) -- 資料3-2 DOM WG からの審議事項と報告 資料3-3 IS-WG関連 運営委員会での審議事項 資料3-4 IMnetへのIP address deligation 議事 平原 JPNIC 運営委員会委員長司会のもと、センター規程第30条第1項に基づ き委員総数19名の 2/3 以上の出席( 委任状 4通を含めて18名 )を確認し、第 11回の JPNIC 運営委員会( 以降「運営委員会」という)の開催が宣言された。 議事に先立ち資料の確認が行なわれた。 引続き、病気のため、長期休暇となった多田昌代さんに代わり、10/20より事 務局で新規に採用した多田増美さんの紹介があった。 1. 前回議事録の確認 1.1) 第10回の運営委員会議事録確認 資料 1-1 に基づいて第10回の運営委員会議事録を確認した。 これに対して資料 1-1 の一部を以下の通り訂正することとなった。 2. ワーキンググループからの作業報告 *13) その他の報告事項 [誤] ASSESS-WG が担当することとする。 [正] 3] Goiken、Kujo の 報告は ASSESS-WG が担当することとする。 なお、議事録の最終確定は後日メイルで行なうこととした。 1.2) 電子メイル会議の議事録確認 資料 1-2-1、1-2-2 に基づいて報告があり、承認された。 2. ワーキンググループからの作業報告 2.1) DOM 神山委員より、資料2-1 に基づきドメイン名の割り当て状況が報告された。   *10/30 には 100件以上となり、申請件数に伴って、質問が増えてきている。 *いくつかトラブルがあった件については、後の審議事項で報告する。 2.2) IP + AS 吉村委員により、資料 2-2 に基づいて IP アドレスの割り当て状況と以下の 作業報告が行なわれた。 *割り当てリクエストが大量にあり、割り当て状況についての問合せが多く なっている。 *JPNIC で妥当と判断したクラスBのアドレス申請が InterNIC で却下された。 *10/4 APNIC より 16B 相当分の CIDR ブロック deleration を受けた。 *10/1 に IP アドレス割り当てに関するドキュメントの改訂を行なったが、 10/31 までの 1ヶ月間は前のドキュメントによる申請も許容していた。   2.3) DB 高田委員より、資料 2-3 に基づき、以下の報告があった。 *JUNET 協会の解散に伴う JPNIC DB での処理は、前回審議を行なった通り、 通常通りの扱いとする。 *JUNET のみに登録されているドメイン数が、前回の80から現在45まで大部 減って来てはいる。 *whois.nic.ad.jp 上のデータ更新の仕組みでは mail が大きな役割を果た しているが、 sendmail の ハングアップによるトラブルが多い。 また、関連して委員より「whois サーバの応答が益々遅くなっている」と いう指摘があり、データベースシステムの更新を含めて検討を進めること となった。 2.4) DNS  加藤委員より、資料 2-4 に基づき以下の報告があった。 *海外向けネームサーバにおける *.ac.jp、*.go.jp に対する MX 記述を削除 する作業は、関係する組織を含む各会員にも連絡をとって、状況をみながら 進めていくこととする。 2.5) PUB 酒井委員により、PUB-WG からの作業報告があった。 資料 2-10 に 一部訂正があった。→ 文末の2行を削除する。 *資料 2-10 に基づいて、インタロップの報告。 *UNIX フェアーは準備中である。 *UNIX マガジン 総会に基づく来年度の問題をあげて、原稿を書いている。 *INTERNET マガジン RFC 1466 の全文を載せる。 *ニュースレター NO2 の発行 ・32ページ ・UNIX フェアーに間に合わせる。( 11/29 搬入 ) ・内容 [1]前回からのトピック [2]会費問題 [3]RFC 1466 ・部数 4,000部 + 会員配布数 2.6) SOC 小西委員により「高度情報通信社会推進」についての意見を 内閣内政審議室へ 送ったという報告があった。 *前回運営委員会での意見をまとめ、理事会の承認を経て事務局からメールを 送った。 *JPNIC 総会後、後藤(邦)委員が 内閣内政審議室へ出向き、インターネット及び JPNIC の説明をし、かなりの反応を得た。 *本日、内閣内政審議室の高度情報通信社会本部担当の方を招待しており、後 ほど話を伺うことを予定している。   2.7) FUTURE 東田委員により、作業報告があった。 *FINANCE の状況をみると法人化の問題は避けて通れなくなっていると考え る。  *法人化についての問題点 [1]主務官庁をどこにするか。 [2]事務局と運営委員の作業の切り分けの必要性。 [3]運営委員の仕事の範囲。 [4]事務局の範囲( どこまでを事務局とするのか ) [5]JPNIC のどの部門が主たる法人化の対象となるか。 [6]有能な人材の確保と配置方法 [7]現在の事務局に何が足りないか。 [8]現在の分散型のオペレーションをまとめて、誰がマネージメントするか。 *法人化についてのコンセンサスが不足しているので、問題点の報告をもとに、 後ほど、審議することになった。 2.8) FINANCE 佐野委員により、資料 2-9 に基づき、10/19 の第3回総会での会費問題の承 認事項及び総会でのプレゼンテーション無事終了の報告があった。 2.9) APNIC 岡 WG スタッフにより、資料 2-5 に基づいて報告があった。 2.10) RULE 松本委員により、資料 2-6 に基づいて作業報告があった。 *商標登録の調査第1回目の報告 ・3月出願予定 ・コンサルタント依頼について検討中 *補正予算についての JPNIC 規定の改訂についての報告 ・次回( 12回 )運営委員会で 1次案提案 ・13回運営委員会で 2次案提案 ・95年度総会にかける。 ・手数料導入に伴う消費税の問題に関しては事務局を通して税理士に相談す る。 2.11) IS 辰巳委員により、資料 2-7 に基づいて、第1回 IS-WG ミーティングの報告が あった。 引続き審議事項となり、以下のことが決まった。 [1]運用上必要な情報のサービスについては IS-WG に任せ、ガイドラインで対 応し、できるだけ皆で見てチェックする。 [2]ftp server は zeus に移行する。 アカウントを作るガイドラインは事務局に任せる。 [3]JCRN のポインターを張る。 [4]ニュースレターをオープンにする。 [5]サーバのFQDNとしてアナウンスするものはwww.nic.ad.jpなどとするが、 海外からの利用の便宜を考え、www.jpnic.netなどのCNAMEでも定義する。 [6]内容に誤りがあっても、責任がとれない部分はそう示す。 [7] IS のサービスも明記する。 2.12) ASSESS 丸山委員により、資料 2-8-2 に基づいて、作業報告があった。 *10/14 の件は DOM-WG の方へまわした。 *尋ね人と、海外からは日本語を扱うソフトウェアについての問い合わせが多 い。これらについては定型フォームを作って答えるようにする。 *IP アドレスとドメイン名の最近の申請者に対して、 JPNIC の対応ぶりにつ いてのアンケート調査をするプランをたてている。 *「 goiken 」の対応態勢を次回運営委員会で提案し、それが決定した時点で 議事録にのせ、公開する。 *「goiken」に寄せられた意見等は担当 WG に回し答えを出して貰って返答する。 2.13)「日本の高度情報化推進政策の概要」について 後藤 (邦) 委員より、内閣内政審議室と高度情報通信社会推進本部の紹介があ  り、同本部の堺井、菅宮、丸山氏より、高度情報通信社会推進本部と高度情報 通信社会推進本部有識者会議についての説明があった。 これに対して、以下の質疑応答があった。 Q : 本部のねらいは A : 新聞情報等に日頃接していると、高度情報化は、すでに、行政の目が届か    ないようなところでどんどん発展しているのではないかと感じる。 国際化社会において、グローバルな活動として対処していかなければなら ない時がきており、政府としても情報化基盤の整備に着手し、方針を早急 に実施することである。 Q : 閣議決定などに対して、naisei@kantei.go.jpに寄せられた電子メイルの の量、内容、整理の仕方について A : かなり多数きており、官邸にインターネットを接続したことへの感謝の気    持ちを表したものが多い。政府への要望もある。 その電子メイルの処理を行う担当責任者は内政室長であるが、只今は読ん    でいるだけの状態であり、処理の能率化を計っていきたい。 Q : 対象としてインターネットのほかに考えているものは A : メイルを流す媒体となる全ての情報化組織。限定する段階に至っていない。 Q : メイル以外に考えているものは A : 電子図書館を作ることや遠隔医療の実現など。また 2010 年までに各家庭 に光ファイバーの導入を目指している。 Q : 技術はどうするのか A : 政府の研究開発予算もあてて行くが、民間企業の技術力が大きな意味を持    つと思う。 Q : 互換性のないものにならないようにしてほしい。今の話しで言うと、電子 図書館や遠隔医療は、通信プロトコル層でいうと上位層(アプリケーション) の話題であり、また光ファイバーを各家庭に引く話しは下位層(線や物理的、 電気的部分)の問題である。しかし、中間的な部分のプロトコルやソフトウェ アに関する話しは全くない。その部分の重要性の認識や知識が足りないよ うに感じられるが、どう思うか? A : 確かに、技術的な部分に対する理解は浅いかも知れない。 Q : 有識者会議の形式は A : 月2回行ない、出席者の意見をまとめていく。 ---- 休憩 ---- 2.14) その他の報告事項 資料 2-8-1 に基づいて以下の報告があった。 [1]第4回 JPNIC 理事会の報告 *運営委員会が法人化検討を 9/13までに行ない、理事会に対して報告する ことが確認されていたが、充分な検討が完了していないことから、3 月 末日まで報告を延期したい旨の報告がなされ、了承された。 *平成 8年度以降の会費制度については、 議論に際して、数値を用いる等の分かり易い表現をとることが大切であ ると指示を受けた。 [2]第3回 JPNIC 総会の報告 * JPNIC 総会の議事録 (案) に関しては、11/8には、JPNIC 委員により構 成されているメイリングリストに報告することとする。 [3]トラブル報告 [4]ASSESS より報告 [5]会費未納会員の確認状況 RIC-Tukuba に関して ・資料 2-8-3 の 2 ページ目の文書 ・口頭( 平原委員長による )の補足、説明 ・公費での支払いの困難さ 以上の 3点により、RIC-Tukubu の理由書を正式なものとして受けること を認めた。 [6]IP-meeting'94 の報告 10/17 に東京工業大学において、IP meeting'94 が開催され、平原運営委員 長と佐野委員により JPNICからの報告が行なわれた。 [7] APNIC meeting タイ( バンコク )において、12/19 〜 12/22 に開催。 参加者は、APNIC WG が事務局と相談する。 3. ワーキンググループからの審議事項 3.1) RULE 次の 3件の審議があった。 [1]「著作物に関する覚書 ( 案 )」について 谷村 WGスタッフにより、資料 3-1 に基づいて、JPNIC 著作物の所有権に関 して提案があり、審議の結果、次のように決まった。 ・本案に一部修正を加えたものを基に、運営委員とWGスタッフを対象とした メイリングリストに流し簡易Voteする。 ・この件以前のものに関しては個別に行なう。 [2]「運営委員長は理事会に出席し意見を述べることができる」を規程にもりこ む。 [3]議事録の記述について、従来の「招待者」を「招待者、WGスタッフ、事務局」 とする。 3.2) DOM 神山委員により、資料 3-2 に基づいて、報告があった。 *トラブル報告 [1]二重割当の発生について 猶予期間を決めて、措置、連絡の予定で、WG で審議中である。 [2]米国でのマクドナルド問題に関して問い合わせがあり、回答した。 *3件の審議事項について以下のように決まった。 [1]地域ドメイン名実験プロジェクト終了の段階の構想 ・実験を継続していく趣旨で WG で検討していく。 ・FINANCE を含めた方針とスケジュールを WG で審議していく。 ・実験結果をメイリングリストへ流し、簡易Voteする。 [2]訴訟問題に対処するために RULE での検討事項 ・Excuse を作っておく。 ・弁護士を決めておく。 ・二重割当でドメイン名を返却の場合の手数料 [3]実験プロジェクトの手数料については、細則で決めることはできるが、 総会でコンセンサスを得るという手順を踏む。 [2],[3] については RULE-WG で検討しておく。 3.3) FUTURE JPNIC の法人化に向けて、理想的な姿について、コンセンサスを得るために、 意見の交換が行なわれた。 *JPNIC は独立した法人を目指している。 *機能の分離 ・人的な資源に対する部分 ・デシジョンを含めたオペレーションの部分 *事務局長がマネージメントする。 ・人のアサインは事務局長 ・仕事の指示は各WG-chair *運営委員会と事務局の役割は何か *理想的な事務局の形はどのようなものか 以上の意見交換を基に、キーパーソンとして FUTURE-WG chairの 東田委員が中 心となり、本日以降、しばらくの間メイリングリストで議論していくことに なった。 3.4) IP 吉村委員により、資料 3-4 に基づいて提案された「IMnet への IPアドレスデ リゲーション」の承認について審議の結果、以下のように決まった。 *JCRN へ承認への手続きを依頼した。 *窓口は小柳氏 *JPNIC 事務局で確認して、条件が整った時点で、入会承認される。 また、今後の方針として *入会手続き書類にチェックリストを付け加える。 *入会承認に関しては関係者で話し合う。 [ 非公開議題 ] 1. 運営委員の辞退について 年度の中途において、止むを得ぬ事情により、運営委員を辞退することが起 こった場合については、理事会に報告する手続きをとり、調整がとれるまで 運営委員会内で暫定的にカバーし、仕事のプロセス等引き継いでおくことと なった。 以上 -- 17 : 37 --